過呼吸はトレーニングで防げる?

過呼吸にならないためのトレーニングとは

 ある日突然、呼吸が激しくなり、めまいや不安に襲われるのが過呼吸です。
前にもお話ししましたように、パニック障害と似ていますが、ちょっと違う病気です。

 

過呼吸はストレスがもたらす体の病気(心身症)ですから、過呼吸を起こさないためには、まず自分の心身の緊張(ストレス状態)に気づくことが大切です。
体全体をリラックスさせ、緊張を解くように自分自身をコントロールするトレーニングが必要なんですね。

 

緊張に気づく

勉強する子供

過呼吸になりやすい人は、

どちらかというとまじめで几帳面
学校や職場でも知らず知らずのうちについつい頑張り過ぎている

こういったタイプの人ではないでしょうか。

 

自分にとってはそれが当然のことなので、「頑張っている」とか「緊張している」という自覚は余り無いですよね。
でも、体は素直です。自覚がなくても精神的に不安な状態、緊張にさらされた状態が長く続くと、些細なことがきっかけで過呼吸を起こしやすくなります。

 

精神的な緊張と体の緊張は連動するので、自分の身体のどこが緊張しやすいのかを知り、その緊張状態をチェックすることで自覚していなかった緊張や不安に気づくことができるようになります。

 

チェックポイントとしては、頭、眼の周り、首の脇、肩、腕、お腹、手、背中、腰、おしり、太もも、ひざ、ふくらはぎ、足の付け根など。
普段から自分の手で触って、筋肉の緊張の状態を意識的に確認しておくといいでしょう。そして、いつもと違う気がする、凝っているみたい、張っているみたい…そんな状態に気が付いたら、次にあげるリラックス法を試してみてください。

 

体をリラックスさせる

パンダの体操

体の緊張を解きほぐし、リラックスした状態を作り出し、維持するための方法をご紹介しましょう。毎日はできなくても、ときどき練習することで、意識的にリラックスした状態を作り出せるようになります。どちらも椅子に座ってできる、とても簡単な方法です。私も仕事の合間に一日1回程度やるようにしています。
手と太ももを使って
  1. 右の膝の上に右の手の平を乗せます。
  2. 手の平の温かさを感じながら、8秒間かけて息を吐きながら自分が出せる力の1/3程度の力で膝と手の平をゆっくりと押し合います。
  3. 息を吐き切ったら、今度は8秒間かけて息を吸いながらゆっくりと手と足の力を緩めていきます。
  4. 左と右、それぞれ3セットずつ行います。

 

体が緊張していく様子、そして緊張がほどけていく様子を意識的によく観察してみてください。

手と頭を使って
  1. 椅子に座ったまま、両方の手を組み合わせて頭の後ろに回します。
  2. 8秒間かけて息を吐きながら、自分が出せる力の1/3程度の力で頭を後ろに押し付けながら両手を左右に引っ張り合います。
  3. 息を吐き切ったら、今度は8秒間かけて息を吸いながらゆっくりと手と頭の力を緩めていきます。
このとき、肩に余計な負担がかからないように、肩を落としてゆったりとした気持ちで3セット行います。